私は西宮市の夙川駅近くに在住する、50代後半の鍼灸師です。
20年ほど前から野菜作りに興味を持ち、徳野雅仁さんの本を参考にして、
市民農園やプランターでの野菜作りを少しずつ取り組んできました。
そして、身土不二や地産地消、粗食、全体食、伝統野菜、半農半X などに
ついて学んできました。これって、いいですね !
 
  ブログ初体験なので、お見苦しい点多々あることをご容赦ください。

料理がきっかけ
  結婚以来26年間三度三度の食事は妻に頼りっきりだったのですが、
共働きの妻の仕事が忙しくなり、一昨年秋からレシピ本を参考にしながら、
夕食を私が作るようになりました。
料理は大変ですね。
・家族の元気や健康を支える献立を考える。
・冷蔵庫の中の野菜や肉などの残り物を確認して、買い出しに行く。
・家計とのやりくりを考えながら、食材を選ぶ。
自分で料理するようになって、初めて料理の大変さがわかりました。
いままで一身に料理を毎日毎日作ってくれていた妻に感謝、感謝です。
妻の料理で、私の生きる体を支えてくれていたのですから。
料理することで、人生観がすっかり変わりました。

  スーパーへ食材を買いに行くと、さまざまな野菜が西宮市近郊のものでなく、
鹿児島から北海道まで、日本全国から取り寄せられてきていることに驚きました。
兵庫県産のものは岩津ねぎやきくな、淡路島玉ねぎ、丹波の黒枝豆、やまのいもぐらいでしょうか。
どのスーパーでも似たような状況です。なぜか違和感を感じました。
  そのうち、西宮市の近くで作られた野菜を食べてみたいという思いが強くなりました。
それなら自分で野菜を作ってみよう、いっそのこと無農薬の健康な野菜を作ってみたい !
以前から興味のあった、川口由一さんが提唱されている自然農を
本格的に実践してみようと思いました。
「土を耕さず、肥料・農薬を用いず、草と虫を敵とせず」*、
自然に任せ、人があまり手をかけない 自然農です。 

  *『自然農・栽培の手引き』 監修 川口由一  著者 鏡山悦子 南方新社 より引用

自然農の学び 
  自然農は未体験なので、まず自分にはその学習と実体験が必要だと思いました。
自然農の創始者の川口由一さんの勉強会に参加したかったのですが、日程が合いませんでした。
  そこでネットで探して昨年初冬、神戸市北区大沢町の自然農の「ささやき村農園」に
見学に伺いました。自然農を実践して6年目のとても仲のよいご夫婦です。
雑草だらけの畑に、見事に野菜たちが生き生きと育っているさまに感動を覚えました。
畑の作業を何かお手伝いさせていただきながら、自然農の事を教えていただけないでしょうかと
お願いすると、快く引き受けてくださいました。誠に感謝です !
今のところ月2回作業をお手伝いしながら、少しずつ教えていただいています。

  ささやき村農園のリンク先です。
http://www.facebook.com/sasayalkimuranouenn/
http://blog.livedoor.jp/ohanabatakeheads/
どうぞご覧ください。
自然農の野菜を丹精込めて作られ、販売もされています。
フォークシンガーとしての活動もされています。

  ここで収穫された自然農の野菜を定期的に購入しています。
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    白菜         大根         水菜         ねぎ

  この野菜を包丁で切ると、野菜の香りがファーンと台所中に漂うのは感動ものです。
食べるとそれぞれの野菜の濃い味が口の中でしっかり広がり、とても美味しいことにびっくりしました。
やっぱり自然のもので、無農薬はいいですね ! そして安心安全が何よりです !
しかもスーパーの野菜は冷蔵庫で1週間保てばいいほうなのですが、
自然農の野菜は2週間近くも保つことに、またびっくり ! 実に活きがいいのです。
今までスーパーで買っていた野菜とは、段違い。
活きがいいということは、野菜が健康で生命力がとても強いということなのかも知れません。

  自然農の特徴として、
・土を耕さず、肥料を加えないから、土の中の微生物や虫などの生息環境のバランスがしっかり
 とれている。その健康な土の中で、野菜が生き生き育つことができる。
 草が枯れて分解された栄養分しかないので土の中の栄養素は少なく、
 野菜にとっては厳しい環境なのでしょうが、だからこそ野菜は根をしっかり生やして栄養を必死に
 吸収し、成長力を高めているのでしょう。
・無農薬だから土や野菜が農薬で汚染されることがなく、健康に育つ。
 そちろん人の体内に農薬が吸収されることはない。
という点があげられます。

  私の個人的な感想としては、
人が土に手を加えることを最小限にしているからこそ、かえって土の中の自然がしっかり保たれ、
天の「気」や地の「気」が自然そのままに野菜に流入しやすくなっているのではないでしょうか。
私が鍼灸治療で感じる天の「気」が、自然農の野菜にいっぱい詰まっているように感じられます。
森林浴や滝のそばで感じられる清純な「気」のようなものとご理解していただければいいでしょう。
このような野菜で自分の体が元気で健康になるなら、どんなに嬉しく喜ばしいことでしょうか !

自然農の畑体験
  昨年末に、神戸市北区道場町生野の「風キャビン農園」で、1区画33㎡の畑を借りました。
学研の雑誌『自然農法で楽しむ初めての野菜作り』の中で、
風キャビン農園のことが紹介されていたのです。
農園の有志会員による里山クラブでは、山の手入れやシイタケ栽培、自然農法の米作りなども
実践され、さまざまな体験を楽しむこともできます。
そして毎日何時でも農作業ができる、何年でも継続して同じ区画を借りることができるというのが、
大きな魅力です。公営の市民農園ではこういかないのが普通です。
  大半は20㎡の面積の区画ですが、草ぼうぼうになっている区画がいいと希望すると、
1年間借り手がおられず草ぼうぼうになっている33㎡の区画がちょうどひとつ空いていて、
すぐ貸していただけることになりました。これは大変ありがたいことでした。心から感謝です !
「33」とは、太陽の光燦燦 ( サンサン ) のようで音の響きがいいなあと感じました。
市民農園の南東角にこの区画があります。

体がついていきません
  今年1月から草を刈り始めましたが、57才の私には、1時間の作業でもかなり体にこたえました。
週2日のペースで通っていましたが、残念ながらまだ半分ぐらいしか草を刈ることができていません。
1月下旬には絶えず腰のだるさを感じるようになり、ストレッチやマッサージ、鍼灸治療しても
なかなかすっきり治りません。33㎡の面積は、今の私の体には少々広すぎたようです。
今まで体を甘やかしていたからか、老化のせいでしょうか ?
日頃の運動とは体の使い方や力の入れ方が違うから、余計に体にこたえるのでしょうね。
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1月13日  2回目の草刈り
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1月28日  6回目の草刈り









  1年間借り手がいなかったため、畝と溝の区別がつかないほどになっています。
残り半分の草刈りが終わったら、早速シャベルで溝を切り、畝を立てる予定です。
幅1m、長さ6mの畝を4本しっかり作り上げるまでが体力勝負です。
これを早く済ませて、すぐに種播きに着手したいものです。
2年目からは畝立てや耕起はしないので、このあとの作業は比較的楽になると思います。
ただ、周りの区画の畑に迷惑をかけないように、草の管理はしっかりやっていこうと思っています。

  神戸市道場町生野は、六甲山の南に位置する西宮市に比べかなり寒く、
春からの種播きは西宮市より3週間から1か月ほど遅くなるそうです。
本来なら秋に畝立てを済ませ、初春からの種播きに間に合わせるべきなのでしょうが、
仕方ありません。
今の私の体の状態を受け入れ、少しずつ草刈りや畝立てを続け、
完成したらすぐ種播きするつもりです。

  自然農に適した「在来種」の種や苗を取り寄せて育ててみようかとも思っています。
肥料をやらない自然農の土では、在来種の種や野菜が育ちやすいのだそうです。
畝立ての直後には米ぬかや油かすなどを少し播きますが、基本的には肥料はやりません。
草が枯れて土の栄養分となるだけです。
だから、しっかりした野菜が収穫することができるようになるまでは、2,3年はかかるそうです。
焦らず、ゆっくり、こつこつ取り組むのが自然農のペースのようです。
自然のペースに自分の心と体を少しずつ合わせながら取り組んでいきます。
これが自然農のいいところでもあるでしょうね。